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ハーレーのキックスタートは後付けできる?費用・適合車種・注意点を解説

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ハーレーにキックスタートを後付けする方法と注意点

「今乗っているハーレーにキックスタートを後付けしたい」「エボやツインカムでもキックでエンジンをかけられるの?」と気になっている人は多いかなと思います。

ハーレーとキックスタートの組み合わせって、やっぱり独特の格好よさがありますよね。キーを回してボタンを押すだけではなく、自分の足でエンジンを回してVツインを目覚めさせる。その一連の動作そのものに魅力を感じる人も少なくありません。

結論からいうと、ハーレーへのキックスタートの後付けは可能な車両があります。ただし、どのハーレーにも同じキットを取り付けられるわけではありません。

ショベルヘッドなどの4速ビッグツイン、エボリューションを中心とした5速ビッグツイン、一部スポーツスターなどでは市販のキックスタートキットを利用できる可能性があります。一方、年式が新しくなるほどトランスミッション、点火システム、燃料供給、マフラーやステップの配置まで確認する項目が増えてきます。

さらに大切なのが、「キックペダルが付けば必ずキックで始動できる」というわけではない点です。エンジンを機械的に回せても、点火装置や燃料供給システムがキック始動に対応していなければ、期待した使い方ができないケースがあります。

この記事では、ハーレーのキックスタート後付けについて、車種・年式ごとの考え方、キットの種類、セルとの併用、必要になる費用、取り付け時に確認したいポイント、始動時の注意点まで順番に解説します。

「見た目が格好いいから付けたい」という人はもちろん、「セルが故障したときの予備として使いたい」という人にも、取り付け前に知っておいてほしいポイントをまとめました。

記事のポイント

  • ハーレーにキックスタートを後付けできる車種と難しい車種
  • ショベル・エボ・ツインカム・スポーツスターの違い
  • 4速用・5速用キックキットの違い
  • セルスターターを残したまま後付けできるのか
  • キックがあればバッテリー上がりでも始動できるのか
  • キット以外に発生しやすい費用
  • マフラーやステップとの干渉
  • DIYとショップ取付けの判断基準
  • キック始動のコツとケッチンへの注意
  • 後付けとキック付き旧車への乗り換えのどちらが合うか
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この記事を書いた人
グランデ

大型バイクをこよなく愛する管理人です。
「愛車選びで迷っている」「車検に通るか不安」そんな疑問を公式情報から徹底調査!皆さんの最高のバイクライフをサポートします。

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  1. ハーレーのキックスタートは後付けできる?結論は車種とミッション次第
    1. ショベルヘッドの4速はキックスタートとの相性がよい
    2. エボの5速ビッグツインにも後付けキットがある
    3. ツインカムでも5速モデルなら可能性はある
    4. スポーツスターにもキック後付けキットはある
    5. 6速モデルやミルウォーキーエイトは簡単な後付け前提で考えない
  2. ハーレーのキックスタート後付けで最初に確認する7項目
    1. 車種名だけでなく年式まで確認する
    2. ミッションの種類を確認する
    3. マフラーとのクリアランスはかなり重要
  3. セルを残してキックスタートを後付けすることもできる
    1. キックオンリーは見た目がシンプルになる
  4. キックを付ければバッテリー上がりでも始動できるとは限らない
  5. ハーレーのキックスタート後付け費用はいくら?
  6. ハーレーへキックスタートを後付けする作業の流れ
    1. DIYできる人とショップへ頼んだ方がいい人
  7. キックスタートのかけ方は?ハーレーはコツが必要
    1. 圧縮を感じてからしっかり踏み下ろす
    2. 冷えているときと温まっているときで操作を変える
    3. ケッチンには注意する
  8. ハーレーにキックスタートを後付けするメリット
    1. クラシカルなスタイルが一気に強くなる
    2. エンジンをかける行為そのものが楽しくなる
    3. セルと併用できれば始動方法を選べる
  9. キックスタート後付けのデメリットも知っておこう
    1. 想像以上に費用がかかることがある
    2. 始動性がセルより良くなるとは限らない
    3. メンテナンスする部品が増える
    4. カスタムした分だけ査定額が上がるとは限らない
  10. キックスタートを標準装備していたハーレーはいつまで?
  11. 後付けとキック付き旧車への乗り換え、どっちがいい?
  12. キック化の費用が大きいなら今のハーレーの査定額も確認してみる
  13. ハーレーのキックスタート後付けでよくある疑問
    1. エボにキックスタートは後付けできる?
    2. ツインカム88にもキックは付けられる?
    3. スポーツスター883や1200にも付けられる?
    4. キックスタートを付けるとセルは使えなくなる?
    5. バッテリーが完全に上がってもキックなら始動できる?
    6. キックキットは自分で取り付けられる?
    7. 後付けしたキックスタートは車検で問題になる?
  14. ハーレーのキックスタート後付けに関する本記事まとめ

ハーレーのキックスタートは後付けできる?結論は車種とミッション次第

ハーレーのキックスタートキットとキックアーム

ハーレーにキックスタートを後付けできるかどうかは、「エンジンが何か」だけで決めることはできません。

かなり重要なのがトランスミッションの形式です。

キックスタートは、キックアームを踏み下ろす力をシャフトやギアを介してエンジンへ伝え、クランクシャフトを回転させる仕組みです。そのため、単純にエンジン横へペダルを追加するだけではありません。

市販のキットでは、トランスミッションのサイドカバーをキック機構付きのものへ交換し、内部にキックギアやシャフトを追加する方式などがあります。

つまり、「自分のハーレー用」と書かれているだけで選ぶのではなく、少なくとも年式、モデル、エンジン、トランスミッション、現在付いているステップやマフラーまで確認しなければなりません。

車両・仕様 後付けの考え方 主な注意点
ショベル系4速ビッグツイン キックキットを選びやすい 年式・ミッション・既存部品の確認が必要
エボ系5速ビッグツイン 後付けキットが存在する マフラーやステップとの干渉に注意
初期ツインカム系5速 対応する製品がある場合もある 製品ごとの適合年式を厳密に確認
一部エボスポーツスター 専用コンバージョンキットが存在する ステップやブレーキマスター移設が必要になる場合あり
6速ビッグツイン・新しいモデル 一般的な後付けキットの選択肢が少ない 専門ショップへの車両確認を優先
ミルウォーキーエイトなど近年の車両 簡単なボルトオン化を前提にしない方がよい 電子制御や車体構成を含めて総合判断

この表はあくまで大まかな目安です。同じ「エボ」「ツインカム」と呼ばれる車両でも、年式やミッションによって使えるキットは変わります。

キットを注文する前に、車検証だけでなく実車のミッションや現在のカスタム内容までショップへ伝えるのが失敗しにくい方法です。

ショベルヘッドの4速はキックスタートとの相性がよい

ハーレーのキックスタートと聞いて、まずショベルヘッドを思い浮かべる人は多いですよね。

ショベル時代の4速ビッグツインは、キックスタートを前提とした歴史があるため、補修部品や社外キットを探しやすいカテゴリーです。現在でもショベル系FLH向けなどの4速用キックスタートキットが流通しています。

もともとキック機構を持っていた車両を修復する場合と、セル仕様の車両へ後から追加する場合とでは必要な部品が変わることがあります。そのため、「ショベルだから付く」とだけ考えず、現在付いている4速ミッションの仕様を確認してください。

古いハーレーの場合は、キックキット以前にミッション本体の摩耗、キックギア周辺の状態、オイル漏れ、クラッチの状態なども確認しておきたいところです。

せっかく新品キットを組んでも、受け側のミッションに大きな摩耗があれば本来の性能を発揮できません。旧車では「取り付けられるか」だけではなく、「今の状態で取り付ける意味があるか」まで見てもらうと安心です。

エボの5速ビッグツインにも後付けキットがある

エボリューションエンジンを搭載したソフテイルなどに、キックスタートを追加したい人も多いと思います。

5速ビッグツイン向けには、純正トランスミッションのサイド部分へ後付けするタイプのキックスタートキットが存在します。そのため、エボだからキック化できないということではありません。

むしろ、クラシカルなエボソフテイルにキックアームを追加するカスタムは、見た目との相性もかなりいいですよね。

ただし、4速ショベルと比べると確認することが増えます。特に注意したいのが排気管です。

5速用キックキットはトランスミッション右側へ張り出す構造になることがあり、現在装着しているマフラーとキックアームが干渉する可能性があります。

キット自体は付くのに、「キックアームを最後まで踏み下ろせない」という状態では意味がありません。マフラー交換やエキゾーストパイプの加工まで必要になると、予算はかなり変わってきます。

また、クラッチリリース機構が収まっているカバー周辺を変更する製品もあるため、取り付け後にはクラッチ調整が必要になる場合があります。

エボへ後付けするなら、キット本体だけの値段を見るのではなく、「今のマフラーをそのまま使えるか」「ステップは干渉しないか」「クラッチ調整まで工賃に含まれるか」をセットで確認しておきましょう。

ツインカムでも5速モデルなら可能性はある

ツインカムになると、「もうキックスタートは無理なのでは?」と思うかもしれません。

実際には、5速ビッグツインを対象とした後付けキックキットの中には、エボだけでなく一部ツインカム系まで対象としている製品があります。

ただし、ここで注意したいのが「ツインカムなら全部同じ」ではないことです。

年式によってトランスミッションの仕様が変わりますし、製品によって適合する範囲も違います。海外製の強化キットでも「1987~1998年の5速ビッグツイン」といったように、かなり明確に年式が指定されているものがあります。

そのため、ネット上で「ツインカムにも付いた」という事例を見つけても、自分の車両へそのまま当てはめない方が安全です。

特にツインカム88を所有している場合は、エンジンだけでなく年式や整備状態を含めて考えてください。古めのツインカム88を維持していくうえで確認したいポイントは、当サイトのハーレーツインカム88の寿命は?交換費用と長く乗るコツを解説でも詳しく紹介しています。

スポーツスターにもキック後付けキットはある

スポーツスターも「アイアンなら可能、エボスポは不可能」と単純には分けられません。

アイアンスポーツではキックスタートの歴史が長く、年式ごとのコンバージョン部品があります。また、社外品には1991~2003年の一部エボリューション・スポーツスターを対象とするキックスタートコンバージョンキットも存在します。

こうしたキットの中には、セルスターターを残したままキックを追加できるものもあります。

これはかなり魅力的ですよね。普段はセルで気軽に始動し、気分によってキックを使うという楽しみ方ができます。

ただし、専用キットだから何も変更せず取り付けられるとは限りません。

製品によっては純正ミッドコントロールと併用できなかったり、リアブレーキマスターシリンダーの位置変更が必要だったりします。現在フォワードコントロールなのか、ミッドコントロールなのかによっても話が変わります。

スポーツスターで検討しているなら、「年式だけ合っている」ではなく、ステップ、リアブレーキ、スプロケットまたはプーリー、マフラーまで含めて適合確認するのがポイントです。

6速モデルやミルウォーキーエイトは簡単な後付け前提で考えない

年式が新しいハーレーになるほど、キックスタートの後付けは慎重に考えた方がいいです。

理由は、単純にキックギアを追加するだけでは済まないからです。

6速トランスミッション、電子制御燃料噴射、電子式点火、セキュリティシステムなど、始動に関係する仕組みが増えています。

最新に近いモデルへ「昔のハーレーのようなキックを付けたい」と考えている場合は、先にキットを購入するのではなく、ハーレーのカスタムに詳しい専門店へ車種・年式を伝えて相談する方が結果的に無駄がありません。

見た目だけが目的なら、キックスタートそのものではない別のカスタム方法を提案される場合もあるでしょう。

ハーレーのキックスタート後付けで最初に確認する7項目

「対応キットを見つけたから注文しよう」となる前に、最低限確認しておきたい項目があります。

  1. 正確なモデル名と年式
  2. エンジンの種類
  3. トランスミッションが4速・5速・6速のどれか
  4. 点火装置がキック始動に対応できるか
  5. マフラーやエキゾーストとの干渉
  6. ステップ・ブレーキ周辺との干渉
  7. セルを残すのかキックのみへ変更するのか

この7つを先に整理しておくだけでも、パーツ選びの失敗はかなり防ぎやすくなります。

車種名だけでなく年式まで確認する

ハーレーのパーツ選びでよくある失敗が、「ソフテイル用」「スポーツスター用」といった大きなカテゴリーだけで判断してしまうことです。

同じモデル名が長期間使われているハーレーでは、年式によってエンジンやミッション、ステップ、ブレーキなどが変更されています。

中古車の場合は前オーナーがエンジンやミッションを変更している可能性もあります。

車検証上の年式だけで判断できないカスタム車なら、現物確認を優先してください。

ミッションの種類を確認する

キックスタートキット選びでは、トランスミッションがかなり重要です。

4速用と5速用ではキック機構そのものが違います。同じエンジンファミリーでも、搭載されているミッションによって使える商品が変わる可能性があります。

ネットショップの商品説明で適合年式を確認するだけでなく、できれば購入前に販売店へ車両情報を伝えて確認してもらうのが安心ですよ。

マフラーとのクリアランスはかなり重要

キックスタート後付けで意外と見落とされるのがマフラーとの干渉です。

キックアームは、ただ取り付けられればいいわけではありません。

上から下まで十分なストロークを確保して、体重を乗せて踏み抜けるスペースが必要です。

エキゾーストパイプが近すぎればアームが当たりますし、足が高温のマフラーへ近づく配置になるのも避けたいところです。

現在装着しているマフラーを気に入っている人は、キック化によってマフラー交換まで必要にならないか事前に確認しておきましょう。

セルを残してキックスタートを後付けすることもできる

セルとキックスタートを併用するハーレーカスタム

キックスタートを付けるからといって、必ずセルスターターを取り外す必要があるわけではありません。

後付けキットの中には、純正の電動スターターを残しながらキック機構を追加できる製品があります。

街乗りやツーリングが中心なら、私はセル+キック併用の方が現実的な人は多いかなと思います。

冷えた朝、出先、渋滞後の再始動など、毎回キックするのが楽しいとは限りません。普段はセルを使い、「今日はキックで始動したい」というときだけキックを使える方が気軽です。

キックオンリーは見た目がシンプルになる

一方、チョッパーなどではセルモーターを取り外し、キックスタートだけにする「キックオンリー」に魅力を感じる人もいます。

スターター周辺をなくせるため、車体をよりシンプルに仕上げられるのが魅力です。

ただし、始動できなければその場から動けないという覚悟も必要です。

キャブ調整、点火時期、プラグの状態などが悪い車両では、何十回蹴っても始動しないことがあります。キックオンリーを目指すなら、まずエンジンがきちんと整備された状態であることが前提です。

  セル+キック キックオンリー
日常の始動 慣れが必要
クラシカルな雰囲気 十分楽しめる より強い
トラブル時 始動方法を選べる キックに依存する
構造 部品数は多い シンプルにできる場合がある
ツーリング用途 使いやすい 車両状態の管理がより重要

キックを付ければバッテリー上がりでも始動できるとは限らない

ここは、ハーレーへキックスタートを後付けする前にぜひ知っておいてほしいところです。

「セルモーターを使わないなら、バッテリーが完全に上がってもキックで始動できる」と考えたくなりますよね。

ところが、必ずしもそうではありません。

キックスタートが担当するのは、主にエンジンを機械的に回転させる部分です。

実際に燃焼を起こすには点火が必要ですし、インジェクション車ではECU、燃料ポンプ、インジェクターなどを動かすための電源も必要になります。

電子点火でも、製品や設定によってはキック一回程度のクランキングでは点火条件を満たせないものがあります。実際、後付け5速キットの製品情報でも、純正点火装置では点火までに複数回転を必要とするため、キックスタート対応の点火システムが必要になる場合があるとされています。

つまり、「セルモーターが故障したときの予備」にはなっても、「電気系統が完全に死んでも必ず走れる装備」とは考えない方がいいです。

バッテリー上がり対策を一番の目的にしているなら、キックキットを買う前に、あなたの車両の点火方式と必要電圧をショップへ確認してください。

ハーレーのキックスタート後付け費用はいくら?

キックスタートを後付けするときに気になるのが費用ですよね。

ここは「○万円で必ず取り付けられる」と断定しにくい部分です。

キット自体の価格差が大きいうえ、現在の車両状態、マフラーの加工、ステップの変更、クラッチ調整などで必要な金額が変わるからです。

国内で販売されているショベル系4速キックキットには8万円前後の商品例があります。一方、強度や構造にこだわった海外製5速ビッグツイン用キットでは2,000ドルを超える製品もあり、単純に「キットは5万円くらい」と考えるのは危険です。

輸入品の場合は為替、送料、関税、販売店の在庫状況などによっても実際の購入価格が変わります。

費用項目 確認しておきたい内容
キックスタートキット メーカー・4速/5速・強度・付属品で大きく変わる
キックアーム・ペダル キットに含まれない場合がある
ショップ工賃 ミッション周辺の分解・組み立て内容で変わる
ガスケット・シール類 分解時に新品交換することがある
ミッションオイル 作業内容によって交換が必要
クラッチ調整 サイドカバー交換後に必要になる場合がある
マフラー加工・交換 キックアームと干渉する場合に発生
ステップ・ブレーキ変更 スポーツスターなどで必要になる場合あり
点火系変更 キック始動に適した点火システムが必要になる場合あり

こうして見ると、キット代だけで予算を決められない理由がわかりますよね。

ショップへ見積もりを頼むときは「キックキット取付けはいくらですか?」だけではなく、マフラー加工などを含めた完成状態までの概算を聞くのがおすすめです。

ハーレーへキックスタートを後付けする作業の流れ

製品によって構造は違いますが、5速ビッグツイン用の後付けキットではトランスミッション右側のカバー周辺を分解し、キック用ギアやシャフトを組み込むタイプがあります。

大まかな流れを理解しておくと、「自分でできそうか」「ショップへ頼むべきか」の判断もしやすくなります。

  1. 車種・年式・ミッションとキットの適合を確認する
  2. マフラー・ステップ・ブレーキ周辺のクリアランスを確認する
  3. 必要に応じてミッションオイルを抜く
  4. クラッチリリース側のカバーを取り外す
  5. キット指定のギア・シャフト・カバーなどを組み付ける
  6. ガスケットやシールを適切に組み付ける
  7. クラッチ機構を復元・調整する
  8. ミッションオイルを規定量へ戻す
  9. キックアームの作動範囲と周辺部品との干渉を確認する
  10. オイル漏れや異音がないことを確認して始動テストを行う

実際の作業方法、締め付けトルク、シムやクリアランスなどは製品と車両によって違います。

そのため、ネットの記事に書かれている数値を別のキットへ流用するのは避けてください。使用するキットの取扱説明書と、対象年式のサービスマニュアルを優先するのが基本です。

DIYできる人とショップへ頼んだ方がいい人

ハーレーを日常的に整備していて、クラッチやトランスミッション周辺の作業経験がある人ならDIYを検討する余地はあります。

ただ、オイル交換やマフラー交換しか経験がない状態から、いきなりキックキットの組み付けへ進むのはおすすめしにくいです。

組み付けが不適切だと、オイル漏れだけでなく、キックギアの噛み合い不良、クラッチの切れ不良、ギアの破損などにつながる可能性があります。

特に「加工が必要なのか判断できない」「シム調整という言葉がよくわからない」「クラッチ調整をしたことがない」という人なら、キックスタートの施工経験があるショップへ依頼した方が安心です。

キックスタートのかけ方は?ハーレーはコツが必要

ハーレーをキックスタートで始動するときのキックレバー

キックキットを付ければ、あとは勢いよく蹴るだけ。そう思われがちですが、古いハーレーのキック始動にはコツがあります。

しかも、そのコツは全車共通ではありません。

キャブレター、点火方式、エンジンの圧縮、冷間時か温間時かによって始動しやすい操作は変わります。

圧縮を感じてからしっかり踏み下ろす

キックペダルをゆっくり動かすと、軽い場所と急に重く感じる場所があります。

これはピストン位置や圧縮の状態によるものです。

むやみに上から何度も蹴るよりも、エンジンの圧縮位置を感じながら始動位置を作り、そこからストロークをしっかり使って踏み下ろす方が基本的な考え方になります。

車両によって最適な位置や手順が違うため、施工ショップで実際の始動方法まで教えてもらうとかなり楽ですよ。

冷えているときと温まっているときで操作を変える

キャブ車では、エンジンが完全に冷えているときと、給油後などエンジンが温まっているときで必要な混合気が違います。

冷間時にチョークやエンリッチナーが必要な車両でも、温間時に同じ操作をすると燃料が濃くなりすぎ、かえって始動しにくくなる場合があります。

「昨日は3回でかかったのに今日は20回蹴ってもかからない」ということがあれば、単純に蹴る力ではなく、エンジン温度や燃料の送り方が合っていない可能性も考えてください。

ケッチンには注意する

キックスタートで気を付けたいのが、いわゆる「ケッチン」です。

燃焼のタイミングなどによってキックペダルが強く逆方向へ戻されることがあり、足首や膝へかなりの衝撃が伝わる場合があります。

キックアームへ中途半端に足を乗せたり、適切でない姿勢で無理に蹴ったりするのは避けましょう。

点火時期が適切でない車両では始動性だけでなくキックバックにも影響するため、「自分の蹴り方が悪い」と決めつけず、車両側の調整も確認してください。

初めてキック付きハーレーへ乗るなら、経験のあるショップやオーナーから自分の車両に合った始動方法を教えてもらうのが一番わかりやすいです。

ハーレーにキックスタートを後付けするメリット

クラシカルなスタイルが一気に強くなる

キックスタートを後付けする一番わかりやすいメリットは、やはり見た目です。

トランスミッション脇にキックアームが一本追加されるだけでも、車両の雰囲気はかなり変わります。

ショベルやエボをオールドスクールなチョッパーへ仕上げている場合は、とくに相性がいいカスタムです。

エンジンをかける行為そのものが楽しくなる

セルスターターなら数秒で終わる始動操作も、キックだとひとつの儀式のようになります。

燃料を送り、圧縮位置を探し、キックアームを踏み下ろしてVツインが目覚める。

便利さだけを考えればセルの圧勝ですが、この少し面倒なところに魅力を感じるのがキックスタートですよね。

セルと併用できれば始動方法を選べる

セルスターターを残せるキットなら、普段使いの利便性を大きく犠牲にせずキックを楽しめます。

自宅を出るときはキック、ツーリング途中のコンビニではセル、といった使い分けもできます。

「キックに憧れるけれど、毎回はちょっと大変そう」という人には、この形が合いやすいでしょう。

キックスタート後付けのデメリットも知っておこう

想像以上に費用がかかることがある

キックアームだけを見ると単純な部品に感じますが、内部にはギアやシャフトなど複数の部品があります。

さらにマフラー加工などが重なると、「見た目を変えるカスタム」としてはかなり大きな予算になることがあります。

費用が気になる場合は、ショップへ総額見積もりを取ってから判断するのがいいでしょう。

始動性がセルより良くなるとは限らない

キックスタートを付けたからといって、エンジンが始動しやすくなるわけではありません。

むしろ、調整が合っていないキャブ車ではセルよりも苦労するでしょう。

キックを何十回も繰り返す状態なら、キックキットそのものより、キャブ、点火、プラグ、圧縮などを点検した方がよい場合があります。

メンテナンスする部品が増える

キックスタートを追加すれば、当然ながらギア、シャフト、ブッシュ、スプリングなど点検する部品も増えます。

長く使えば、キックアームのガタ、ギアの摩耗、戻り不良、オイル漏れなどが発生する可能性があります。

旧車らしい機械部分を楽しめる反面、「付けたら終わり」の装備ではないことも覚えておきましょう。

カスタムした分だけ査定額が上がるとは限らない

高価なキックキットを取り付けても、その金額がそのまま売却価格へ上乗せされるわけではありません。

キック付きカスタムを評価する専門店もあれば、純正状態を重視する買取店もあります。

特に希少な旧車では純正部品の有無が評価に関係する場合もあるため、取り外した純正部品は可能なら保管しておくといいでしょう。

キックスタートを標準装備していたハーレーはいつまで?

キックスタートを装備したクラシックハーレーのイメージ

後付けするのではなく、「最初からキック付きのハーレーに乗る」という方法もあります。

ハーレーではセルスターターが普及する以前、キックスタートが一般的でした。

専門パーツショップGUTS CHROMEの解説では、1965年のエレクトラグライドでセルモーターが採用された後もしばらくキックとの併用仕様が続き、ビッグツイン系では1985年モデルの4速仕様がキック併用の最終モデルとされています。

スポーツスター系については、1979年のXLH1000からキックスターターをオプションでも選べなくなったとされています。

つまり、メーカーがキックスタートを前提として設計していたハーレーに乗りたいなら、基本的には旧車を探すことになります。

ショベルヘッドやアイアンスポーツなどが候補になりますが、当然ながら年式相応のメンテナンスも必要です。

後付けとキック付き旧車への乗り換え、どっちがいい?

ここまで読んで、「そんなに費用がかかるなら、最初からキック付きのハーレーを買った方がいいのでは?」と思った人もいるかもしれません。

これはかなり大事な判断です。

  現在のハーレーへ後付け キック付き旧車へ乗り換え
今の愛車を維持 できる できない
キック機構 後付け 純正・旧来構造を選べる
費用 キット・工賃・加工費 車両購入費+整備費
始動の気軽さ セル併用なら高い 車両による
維持管理 現在の車両をベースに考えられる 旧車特有の整備が必要になりやすい
向いている人 今の愛車が気に入っている人 キックを含め旧車そのものを楽しみたい人

今のエボソフテイルが大好きで、「このバイクをキックで始動したい」という場合は後付けする価値があります。

一方、「キックのある昔ながらのハーレーに乗ること」そのものが目的なら、ショベルなどへ乗り換えた方が満足できる可能性もあります。

とくに新しい6速モデルへ大掛かりな加工をしてまでキックを付けようとしている場合は、一度立ち止まって、車両の乗り換えまで含めて費用を比較してみてもいいかなと思います。

キック化の費用が大きいなら今のハーレーの査定額も確認してみる

キックスタートの後付け見積もりを取った結果、「そこまでお金をかけるならショベルやエボへ乗り換えたい」と思うこともあるでしょう。

そんなときは、先に今のハーレーがいくらになるのか確認しておくと、後付けと乗り換えの予算を比較しやすくなります。

CTNバイク一括査定は、最大10社の買取店による査定額を比較できるサービスです。公式サイトでは訪問査定なしでオンラインで査定を進められる仕組みが案内されているため、「とりあえず今の価値だけ知ってから考えたい」という場合にも選択肢になります。

もちろん、キックを付けたいだけなのに無理にバイクを売る必要はありません。今の車両への愛着と、後付けに必要な総額を比べたうえで判断すれば十分です。

サービス内容や対応条件は変更される可能性があるため、申し込み前には公式サイトで最新情報を確認してください。

ハーレーのキックスタート後付けでよくある疑問

エボにキックスタートは後付けできる?

5速ビッグツインのエボでは、純正トランスミッションへ追加するタイプの社外キットがあります。

ただし、年式・モデル・マフラー・ステップなどによって適合条件が変わります。エボというだけで購入せず、正確な車両情報で確認してください。

ツインカム88にもキックは付けられる?

5速ビッグツイン用キットの中には一部ツインカムを対象とするものがありますが、製品ごとに対象年式が異なります。

「ツインカム対応」という言葉だけで判断せず、車両年式とトランスミッションを販売店へ伝えて確認しましょう。

スポーツスター883や1200にも付けられる?

一部年式向けには専用のコンバージョンキットがあります。

1991~2003年の一部スポーツスターを対象とする社外キットの例もありますが、純正ミッドコントロールと併用できないなどの制約があります。

883か1200かだけで判断せず、年式とモデルまで確認してください。

キックスタートを付けるとセルは使えなくなる?

必ずしも使えなくなるわけではありません。

セルスターターを残したままキックを追加できるキットがあります。そのため、利便性を残したい人は「セル併用可能」を条件にキットを探すといいでしょう。

バッテリーが完全に上がってもキックなら始動できる?

車両の点火方式や燃料供給方式によるため、「必ずできる」とはいえません。

電子点火やインジェクションでは電源が必要です。キックでクランクを回せても、点火や燃料供給に必要な電圧がなければ始動できない場合があります。

キックキットは自分で取り付けられる?

製品によってはボルトオンに近い構成でも、トランスミッション周辺やクラッチ機構を扱う作業になります。

サービスマニュアルを理解して作業でき、適切な工具を持っている人以外は、ハーレーのキックキット施工経験があるショップへ依頼した方が安心です。

後付けしたキックスタートは車検で問題になる?

キックスタートを追加したという事実だけで一律に判断することはできません。

取り付け方法や周辺部品の変更、車両寸法への影響などによって確認事項が変わる可能性があります。

マフラー、ステップ、フレームなども同時に加工する場合は、施工ショップや管轄の検査機関へ事前に確認しておくと安心です。

ハーレーのキックスタート後付けに関する本記事まとめ

最後に、ハーレーのキックスタート後付けについて大切なポイントをまとめます。

  • ハーレーは車種によってキックスタートを後付けできる
  • すべてのハーレーへ共通して装着できるキットはない
  • ショベル系4速ビッグツインはキック関連パーツを探しやすい
  • エボ系5速ビッグツインにも後付けキットが存在する
  • 一部の5速ツインカムもキットによっては対象になる
  • 一部エボスポーツスター向けにもコンバージョンキットがある
  • 年式が新しい6速モデルなどは簡単なボルトオン前提で考えない
  • エンジンだけでなくトランスミッション形式の確認が重要
  • マフラーとキックアームが干渉する場合がある
  • ステップやリアブレーキ周辺の変更が必要になる製品もある
  • セルスターターを残したままキックを追加できる製品もある
  • キックオンリーにすると日常の始動性は車両状態に大きく左右される
  • キックがあっても完全なバッテリー上がりで始動できるとは限らない
  • 電子点火ではキック始動との相性確認が必要
  • キット代だけでなく工賃やマフラー加工費まで考える
  • クラッチ調整やミッションオイル交換が必要になる場合がある
  • 取り付け後はオイル漏れやキックギアの作動を確認する
  • キック始動は冷間時と温間時でコツが変わる
  • ケッチンによる足や膝への負担にも注意する
  • DIYが難しい場合は施工経験のある専門ショップへ依頼する
  • ビッグツインでは1985年モデルの4速仕様がキック併用の最終モデルとされている
  • キックそのものを楽しみたいなら旧車への乗り換えも選択肢になる

ハーレーのキックスタートは、便利さだけで考えるとセルスターターにはかないません。それでも、自分の足で大排気量Vツインを目覚めさせる感覚には、ボタン始動とは違った魅力があります。

だからこそ、「格好いいから、とりあえずキットを買う」ではなく、まずあなたのハーレーの年式・ミッション・点火方式・マフラー配置を確認してください。

そのうえでセル併用にするのか、キックオンリーを目指すのか、加工を含めた総額はいくらになるのかを整理すると、後悔しにくくなります。

今の愛車をさらに自分らしい一台に仕上げるのか。それとも、最初からキックを備えたショベルなどへ乗り換えるのか。どちらが正解というわけではありません。あなたがハーレーのどんな部分を一番楽しみたいのかで選んでみてください。

 

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